ものの売り方!商品の特徴では買ってくれない。欲しくなる表現法!

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こんにちは、IT経営コンサルタントの坂田岳史です。

ここでは、facebook等のソーシャルメディアの活用法について、お話しています。
先日、ある中小企業の社長さんが新商品を作ったので、見て欲しいと言われました。その商品は、ある特殊な木の枝を使った財布です。材料になるある木から繊維を作り、それを編んだ財布なのです(もちろん、木を繊維状にしているので、ある程度柔らかい)。社長さんは、懸命になって材料の木の素晴らしや加工方法の独自性を話されます。そして、商品名も「木でできた財布」にしたいそうです。値段は2万円だそうです。

確かに、木でできた財布と聞くと「へ~、面白そうだな」と思いますが、2万円出して多くの人が買うかというとちょっと?ですね。

しかし、社長さんにいろいろ話を聞いて行くと、材料が木なので非常に丈夫だそうです。丁寧に使えば20年や30年は軽く使えるとか。一般に、いくらよい革を使った財布でも20年は持たないですが、この木でできた財布は耐久性に優れているとの事です。
ということは、この財布を買った人は、「一生使える財布」を手に入れた事になります。よほど「木」にこだわりのある人は、「木でできた財布」と銘打っても買うでしょうが、それだけでは多く売れないと思います。逆に、「一生使える丈夫な財布!」という事なら、買う人も多いかもしれません。

実は、この「一生使える財布」というのは、商品の特徴でなく、顧客の利益なのです(私は、顧客利益と呼んでいます)。顧客は商品の特徴にお金を払うのでなく、自身の利益についてお金を払うのです。ですから、いくら材料が良いとか、加工方法が特殊と言っても、それは顧客利益を作りだす元であっても、それらで買う訳ではないのです。

例えば、手作りケーキと言った場合、手作りだから買うのではなく、手作りだから「非常に滑らかなクリームで美味しくできるとすると、顧客は「滑らかなクリームで美味しいケーキ」を買うのです。手作りはその価値を生み出す方法論にすぎません。

京都の四条河原町に、「京都八田屋」という枕や布団、ベッドを売っている寝具店があります。
ここでは、自分にあった枕やベッドなどをオーダーする事ができます。しかし、お客様はオーダー枕が欲しいのではなく、自分の頭の形にあった枕を使い、ぐっすりと安眠・快眠したいのです。
その為、京都八田屋では、オーダー枕という物を売るのではなく、「お客様の快眠環境を提供する(眠りの悩みを解決する)」というサービスを提供しています。その方法論として、オーダー枕やベッドを提供するという考え方です。つまり、同店に行ったお客様は、「快眠環境を手に入れ、眠りの悩みを解決する事ができる」わけです。これが、顧客利益です。

このように、商品やサービスには様々な特徴がありますが、大事な事は、その特徴がある結果、お客様にどのような利益があるかを考え、その顧客利益を広くPRする必要があるのです。

ちなみに、以前の記事で、facebookはPUSH型情報発信媒体と言いました。この顧客利益をfacebookで発信する事で、それを受けっとった人は、その商品を買うと自分にどのような利益があるかがすぐに分かります(これは、facebookだけでなく新聞広告でも同じですが)。いずれにしても、商品の材料や加工方法などの特徴だけを言うのではなく、顧客利益を打ち出す事がものを売る時には重要になります。

尚、材料や加工方法を出すなと言うのではなく、顧客利益が実現できる理由として、材料や加工方法を言う事はOKです。先の「手作りケーキだから、滑らかクリームで美味しい」の場合、手作りというのは加工方法です。ですから、特徴と顧客利益を上手く組合せてPRする事がいいでしょう。

IT経営コンサルタント 坂田岳史

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