中小企業のAI活用 第5章 ディープラーニングを分かり易く解説

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こんにちは、IT経営コンサルタントの坂田岳史です。

 AIと聞くと、ディープラーニングと言う言葉を思い浮かべる方も多いと思います。ディープラーニングは多くの専門書が出ており、Webでも解説記事が多くあります。しかし、いずれも専門的な内容で、中小企業の方が理解するのは難しいかもしれません。そこで今回はディープラーニングを分かり易く説明したいと思います。

 第4章でアイスクリーム屋さんの例で、機械学習の説明をしました。予めAIにデータと正解を与え学習させ、その後予測データを入力する事でAIから予測値などが出力されます。
ディープラーニングも基本的には機械学習ですが、少し違う所があります。
 例えば、道路の渋滞を解消する為に、信号機を青や赤に変えるタイミングを工夫する事がおあります。交通量の多い道路は青を長く、逆に少ない道路は短くするのです。これを、ディープラーニングで制御するとどうなるでしょうか。

 本blogの図をご覧ください。ここでは、道路に7カ所信号機が設置されていると考えてください。もし、全ての道路で同じ交通量なら信号音のタイミングも同じでいいかもしれませんが、1と2の信号機の道路で交通量が多いとこの2つの信号は青を長くする必要があります。このように予め交通量に応じて信号のタイミングを変えておくと、後は何もしなくても渋滞が発生しないという事です。
(実際にそう上手く行かないかもしれないですが)
 
 ディープラーニングは、図にあるような人の脳の仕組みを使ったニューラルネットワークというアルゴリズム(注1)を使い、入力(交通量)による出力(渋滞なし)が最適になるように、ニューラルネットワークの各要素(信号機のタイミング)を調整するのです。
これをディープラーニングのパラメータ調整と言います。一旦、パラメータ調整すると、
教師付機械学習のような学習モデルが構築され、最適な出力が得られる訳です。
 尚、ディープラーニングでは、ニューラルネットワークの各要素(ここでは信号機)に重みを付けます。交通量が多い信号機は重みを多くして(青色点灯時間を長くする)、車の流れをスムーズにするのです。どこに重みを置くかを見極めて、青色点灯時間を調整するのがAIエンジニアの腕の見せ所となります。

 さらに、ディープラーニングでは、逆誤差伝播法というアルゴリズムを用いてパラメータの調整をします。ちょっと難しい言葉ですが、せっかくの機会ですが理解してください。
 例えば、図の信号7のカ所で渋滞が発生したとします。その原因が信号5からの交通量が多い場合、信号6からの交通量を制限しないといけません。その場合、信号7から信号6へ「青色点灯時間を短くせよ」という指令を送ります。さらに信号6では信号3からの交通量が多いので、信号3に同じく「青色点灯時間を短くせよ」という指令をだします。これにより、青色点灯時間を最適化して、渋滞を無くそうと言う事です。学校の試験で点数が悪い場合、どこで間違った箇所分析して、自身の弱点を見つけてそこを重点的に勉強する事に似ています。つまり、結果から逆に入力を補正してくのです。ディープラーニングは、このような方法で精度が高い出力する訳です。

このディープラーニングでは、主に次の事ができます。

①画像認識
 ディープラーニングが最も得意な分野です。Facebookを使っている方は分かると思いますが、顔写真をアップすると自動的に名前がタグ付されます。これは典型的なディープラーニングの画像認識例です。第3章で、きゅうりの判別にAIを活用している事例をご紹介しましたが、これもディープラーニングの活用例です。

②音声認識
 Iphoneの音声入力に代表されるディープラーニングの活用例です。普通に話せば100%近く認識されます(特殊な固有名詞は別として)。ちなみに、京都市には「太秦」、「蚕ノ社」「帷子ノ辻」など読み方が難しい地名が多くありますが、Iphoneの音声入力では全て認識されます。ディープラーニングを使った音声認識の精度は、かなり高いですね。

③自然言語処理
 音声認識と組み合わせて利用され会話ができる機能です。コールセンターやWeb問合せのチャットボットで活用されています。

④異常検知
 工場の機械にセンサーを取り付け、稼働状況をモニタリングし異常を検知して未然に故障などを防ぐ事に利用されています。他にも、自動車の自動運転でも車の異常を検知し安全に停止される為に利用されています。

 このようにディープラーニングは、既に様々なシーンで利用されています。今後も、私たちの生活を便利にしたり、企業の生産性向上に寄与するでしょう。


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