IT経営コラム:IT企画書とレントゲン!【記事】

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いきなりですが、現在、歯医者に通っています。
さすがに半年以上通っていると、かなり治療が進みそろそろ終わりそうです(^^)
先日も歯医者に行っていると、先生が患者のおばあちゃんに治療の説明をしていす
(診察室から大きな声が聞こえる)。



おばあちゃん「先生、この虫歯は抜かないといけないですか?」

歯医者の先生「この歯がどこまで悪いかどうかは、レントゲンだけでは分からないので、
         ある程度治療してから抜くかどうか判断します」

おばあちゃん「分かりました。先生にお任せします」

なるほど、レントゲンだけでは分からない虫歯もあるんだ。(坂田の独り言)

先日来、ある中小企業のIT化企画を作成しています。
IT化企画とは、企業の現状の業務を分析し、どの業務をどのようにIT化したら業務改善が出来るかを検討してまとめたものです。この後に、ITベンダーに依頼してシステム開発の見積もりをもらうのですが、正確なシステム開発費用はIT化企画ができないと分かりません。

しかし、この会社の社長さんは、早く開発費用が知りたいといいます。
(IT化企画ができないと、システム化の範囲や機能が分からないので概算でも本来は費用見積できないのです)。
でも、確かに社長さんの気持ちも分かります。来期の予算を決めるためには開発経費がれくらいか、早く知りたいのです。
と言う事で、とあえずシステム化する範囲だけを明確にして、その範囲ので私の過去の経験から、概算費用を出すことにしました。

ちなみに、先の歯医者の先生は、歯の奥の方の虫歯は、レントゲンだけでは正確分からないので、治療(歯を削る)してみて中をみないと分からないと言ってます。

IT化もそれと同じで、まずはシステムの範囲(販売や製造などの業務の範囲と理論的な範囲)を決めて、その中で組織ニーズ(部門等で何をITで解決したいか)を明確にして、初めてシステムの構成(ハードやネットワーク、ソフトウェア)が決まり、開発費用も算出できます。
範囲だけ決めて概算で費用を出すのは、虫歯を外から眺めているだけで中まで見ずに治療するようなものです。

一方、確かに社長さんの立場に立てば、早く費用を知りたいというのも分かります。今回は、私の過去の経験から概算で費用見積しましたが、本来のプロセスでないことを、社長さんに理解して頂くにはちょっと苦労しました(^^;

IT経営コンサルタント 坂田岳史 (ITストラテジスト、中小企業診断士、ITC)
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