中小企業にIT経営が普及しない理由2 【CIOという人材の不在】

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こんにちは、IT経営コンサルタントの坂田岳史です。

前回の記事では、IT活用にはボトムアップ型とトップダウン型の2つがあるとお話ししました。そして、経営者が自社の経営課題をITで解決する、トップダウン型のIT活用をIT経営と呼び、経営力を向上させる為にはIT経営が有効という事もお話ししました。
しかし、特に中小企業ではIT経営が普及しているとは言えません。その理由を私なりに考えました。

例えば、大企業の場合、CIO(Chief Information Officer:最高情報責任者)という人材がいて、自社の経営戦略を実現する為のIT活用を考え、導入実行を行います。しかし、中小企業では、このようなCIOが存在するケースは稀です。その為、自社の経営戦略や経営課題をITで解決する事が難しいと思います。

つまり、中小企業の経営者は自社の経営戦略を策定する事はできるでしょう。また、それを実現する為の課題も理解しているはずです。しかし、ITの種類や効果などをよく知らないので、経営課題を解決する為のIT企画できないのです。中小企業でCIOを育成したり雇用する事は難しので、CIOが不在になっています。これが、中小企業でIT経営が普及しない原因だと私は考えています。

ちなみに、私は中小企業で不在のCIOの役割を担ってIT経営の指導をさせて頂いています。
実は、これは非常に重要な事なのです。つまり、CIOというIT経営のスーパーマンを1人作るではなく、CIOの能力を機能として捉え、その機能を外部専門家も含めて、企業内の複数の人材で実現するのです。これは十分可能です。例えば、社長と管理部等の部門長、ITに詳しい担当者、そして外部専門家。この4人が揃えば、CIOの機能を実現する事ができます。

尚、私はCIOの能力を、IFC(情報統括機能:Information Control Functions)として定義し、どの機能を企業内の誰が担うかを決めて、あたかも中小企業の中にCIOが存在するがごとくIT経営を進める指導をしています。そして、この考え方で、いくつも中小企業のIT経営を成功させてきました。

では、IFC機能とはどのようなものでしょうか?それは、次回お話ししたいと思います。




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