IT経営という言葉もかなり市民権を得てきたと思いますが、特に中小企業では中々浸透しているとは言い難いですね。今回は、中小企業にIT経営が普及しない理由と、その打開策をシリーズでお送りしたいと思います。第1回目は、まずはIT経営が何かを理解して頂きます。
一般に、IT経営が理解し難いのは、通常の販売管理システムなどの活用とどう違うのか?というところに起因していると思います。
この疑問を解消する為に、まずは上の「IT活用モデル図」をご覧ください。
ここでは、2つのIT活用のタイプが書かれています。1つは左側の「合理化の為のIT」です。これは、非効率な業務や負荷がかかっている業務をITで効率化しようというものです。この場合、業務担当者や部門長などがIT化を発案する、ボトムアップ型のIT活用になります。そして、国内ではこのタイプのIT活用が最も多くなっています。
一方、右側の「IT経営」は、経営的な問題や課題を解決する為に、ITを活用します。経営課題には様々なものがあり、全てをITで解決する事はできないでしょうが、現在は技術が進歩し、ITで解決できる経営課題も多くなっています。この場合、経営者が課題を認識しそれを解決する為のITを発案する、トップダウン型のIT活用になります。実はこのタイプのIT活用をIT経営と呼んでいます(国内ではこのタイプは非常に少ない現状です)。
つまり、IT経営とは、「経営者がITを活用して、経営課題を解決する経営スタイル」と定義できます。経済産業省では、このようなIT活用のスタイルを「攻めのIT経営」と呼び、広く企業に普及させようとしています。
では、このトップダウンで進めるIT経営には、何が必要でしょうか?次回は、IT経営を成功させるために必要な要因についてお話しいます。
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